2023年4月19日水曜日

ふたつの学び方

知識と知恵

「学び」という視点から「知」の獲得を考えるとき、二つの学び方があることを意識したい。
知識(上図、左)は、ある分野や事柄に関する情報についての理解を指す。知識は、書籍やインターネット、教育などを通じて学び、蓄積することができる。例えば、物理学の法則や歴史の出来事などは知識にあたる。「知識」があるという状態は、その対象について見たことも触ったこともなかったとしても、その対象を知っていいて何らかの説明ができる状態といえるだろう。「知識を深める」「知識を増やす」という言い方があるように、量で測れるイメージがある。
知恵(上図、右)は、知識を実際の人生や現実の問題に適用する能力を指す。知恵は、経験や洞察、判断力、倫理的な価値観などから得られる。知識を繰り返し使うことで、知恵として自分の中に蓄えられていく、というイメージか。例えば、知恵を持った人は、複雑な状況で適切な判断を下し、良い結果を生み出すことができるだろう。「知恵を絞る」「知恵を借りる」という言い方から、何か行動を起こす時や小津脳の結果を解釈する上での手がかりとなるものと言える。
一般に、「知識」の蓄えが多くそれ尾をいつでも引き出せる人を「かしこい」としたり、「知恵」をつかって質の高いものづくりや課題解決に取り組む人を「職人」と呼んだり、それぞれ別の人格のように扱われがちだ。しかし、「知識」と「知恵」は、ひとり(あるいは複数の人のインタラクション)のなかで循環させたがら鍛えられていくもので、学びにおいてはどちらも必要、と考えるべきだろう。
ものづくりに関わる上では、「知っている」と「できる」とでは、その活動への関与の仕方が全く変わってくるることは事実だ。