2012年12月30日日曜日

googleアンパサダー学生のための映像WS

YouTube 動画加工ツールの前にさぁ・・・

google学生アンパサダーになっている学生君たちから相談を受け、年末ギリギリにプレワークショップをすることになりました。
googleさんにしてみれば「もっとYouTubeにムービーをアップしてくれよ」ということなのだが、あなたたち、まず、コンテンツありきだってコトを忘れているよ。
学生たちが考えてきたWSプランについても、「企画からアップまでを一通り体験」・・・て、ゴミみたいな(失礼)練習映像をとりあえずアップしたって、次には続かないよ。(だいたい、授業課題でデザインの課題もろくにできてないのに、映像の企画なんかできるかい・・・あ、これは心の声ということで、読み飛ばしてください)
ということで、まずWSのプロトタイピングということで、自分たちでやッて見ようよ、と提案して、今日がその日です。

御託はいいからまず撮ってみようよ

映像表現のような時間系コンテンツは、本気でやったら、時間がいくらあっても霧がありません。まず、撮ったら同じ分だけ観なければならないし、編集したらもう一度確認しなきゃいけないし。最低でも作る手間の倍は時間がかあるということです。だから事前の準備や設計、経験値など、総動員して作る必要があります。ゴールにたどり着くためには、作者本人がその勢いやテンションを最後まで持続させて楽しまないと、完成しないんです。
関係者だけでやるのかと思いきや、冬休みだというのに、わざわざ2人も学生くんが参加してくれて、「これは彼らにお土産がないと申し訳ない」ということで、午前中2時間くらいを使って、撮影講習会をすることにしました。

メッセージ、出来上がりを意識して撮ろう

まずはプチレクチャーとして、映像表現の基礎を解説しました。
映像は撮影と編集の2段階で創造されます。
撮影の基本は3点。「フレーミング」「カメラワーク」「ライティング」です。
編集のポイントは、カットのつながりにも意味が生まれる、ということ。この説明は今日は省略。

・フレーミング
まず、対象を画面の中にしっかり意図的に捉えること。
「ロングショット」「フルショット」「ミドルショット」「バストアップ」「クローズアップ」など名前があるということは、それを意図的に組み合わせることで言語化できる。

・カメラワーク
基本はカメラを固定してしっかり対象を捉えること。これと対比してカメラの動きを加えることで、対象を多次元的に捉えることができる。
レクチャーではサワリだけでしたが、「パン」「ティルト」「トラック」「クレーン」「ドリー」「タンブル」などカメラの動かし方、「ズーミング」「フォーカス送り」「被写界深度」などレンズ効果、「アイレベル」「俯瞰 ハイアングル」「あおり ロー・アングル」などカメラのアングル、被写体とカメラの関係として様々なカメラワークを使った「フォローショット」「主観視点/客観視点」など、撮影に置ける言語的、記号的メッセージ性について共有することは、映像作品制作の質を上げる手がかりとして身につけてい置きたいところです。

とりあえず撮ってみよう

レクチャでも触れたように光の向きや被写体との関係はとても重要。とりあえず、椅子をモデルに、光の向きがどう影響するかを実体験してみましょう。


カメラを構えたついでに、デジカメだけでもできる映像表現、も体験してもらいました(汗・・・ふぅ)。


2012年10月23日火曜日

日本賞ワークショップ@NHKでスクライビング

教育コンテンツ世界制作者会議 (IPCEM)

9:30 - 11:50

スペシャル・ワークショップ

チャレンジ! 哲学的テーマを子どもに

~「幸せ」って何?~

2012年6月28日木曜日

次世代デザインミーティング@函館

先日の札幌での打ち合わせ内容について共有しました。
6/27(wed)19:00頃~
参加者:岡本、藤井、原田(+大塚)

◉日程について
都合(大学院試験)で、一日繰り下げ。
8月27日集合
8月28日(火)〜9月1日(土)実践
(須永さんが後半、難しいかも)

◉コンセプトについて
デザインシンポジウム用サマリーにあげた要素を積極的に盛り込む。

◉テーマ:モビリティについて合意

◉アウトプットがどのような方向になるか、ある程度予測しておきたい。
=材料、展示空間の確保のため
発表の方法についてもある程度準備を。

◉視点
地元の人々が「見ないようにしている」部分に切り込みたい。
例)景観といいながら、市電のラッピング広告や公共の事務的サインや施設のことは棚上げ!?

◉スタンス
与えるのではなく、デザイナーが去ったあとも、まちの人々が受け継いで継続できる提案をめざす。

◉参加者について
市役所や市電の関係者にも参加してもらおう。
南部(認知心理学)、大塚(コミュニケーション論)のメタ視点での観察に期待。

◉キーワード
パタンランゲージ(文脈を忘れました・・・汗)
大人中心に本気で取り組む/学生は背伸びして参加

▼参考

「次世代デザイン」
1) モノ(実体)をデザインするという視点とコト(現象)をデザインするという視点をもつ.
2) 社会におけるさまざまな実践や学問をなす人々が生活者として連携する.
3) 一人称の視点,二人称の視点,三人称の視点からデザインする.
4) わかるということとできるということを意識してデザインする.
5) 境界を固定せず,臨機応変に設定する(境界を設けないことも含む).

「国境なきデザイン集団」
1) デザイナーとユーザーとの境界を明確かつ固定的に設定しない.
デザイナーがユーザーのために「デザインする」というのではなく,ユーザー自身が,デザインに参加することを通じて,最終的にはユーザー自身がデザイナーとして活動できる状況を生み出す.
2) デザインの学びと実践の場において,誰もが教師になり,誰もが生徒になるという状況を生み出す.
3) デザインを学ぶ場とデザインを実践する場を同一にする.まちや地域社会においてデザインを学び,デザインを実践する.参画者はデザインに関する何かを教える者であり,かつ,デザインを学ぶ者でもある.

2012年6月24日日曜日

次世代デザインミーティング@札幌

8月の実践に向けての打ち合わせを行いました。
6/24(sun)11:00~12:00頃
参加者:須永、岡本、小早川、安井、原田

◉開催日程
8月27日(月)〜8月31日(金)

※26日の夕方に函館入り
※飛行機大の安い曜日に移動しよう
※終わった後、観光する時間があるといいね

※全体が「表現×振り返り」、各日も「活動×振り返り」

◉コンテンツ
基本的にVXワークショップを引き継ぐ
テーマ「モビリティのデザイン」

◉参加人数
全体で20名

※25名では多すぎだろう
大人6名、多摩美4名、東工大2〜3、千葉工大2名、未来大6名くらいの配分
※未来大の3年生など、上記以外の周辺参加は可、手弁当で

◉ものづくりデザイン
大枠として市電の運行範囲がフィールドか
※市民との活動フェーズを入れる
※プロトタイプを持って街に出る
※プレゼンテーション/展覧会は完成品でなく実験・評価の場として

◉時間配分
※毎日9時〜17時でまとまるように
※一日の時間配分は、5時間表現、3時間ディスカッション
27日午前:テーマについて、これまでの経過の共有
27日午後:フィールドワーク
27日晩:ミニパーティ、参加メンバーの親睦
28日表現活動〜29午前まで(15時間、丸2日間のデザインプロジェクトと考える)
29日晩パーティ:市民参加
30日:提案内容を持って街に出る、まとめの準備
31日:まとめ、振り返り、打ち上げしたい!

◉メタデザイン
オペレーション(食事、宿泊、メディア対応)
大人のディレクションのもと、学生が準備する方法で進めたい。
※外人(全く知らない人)人を入れて、いろいろ質問してもらいたい
※メディアに取材してもらいたい=ドキュメンテーション/番組化

◉ドキュメンテーション、論文化は重要
別チーム?

◉チームビルディング
活動をリストアップし、学生が選ぶ

2012年6月23日土曜日

学会発表@札幌市立大学

日本デザイン学会 第59回 春季研究発表大会

口頭発表/テーマセッション/デザインとワークショップ(情報デザイン研究部会)
第2会場:12:55〜15:15
2-11 出来事を視覚化するドキュメントウォールの活用 2

15分の発表の中で説明した内容を、補足も加えてここにアップしておこうと思います。

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出来事を視覚化するドキュメントウォールの活用 2
リアルタイム・ドキュメンテーションにおける
編集者としてのスクライバーのスキルについての考察

はじめに
この発表は、2010年度の「出来事を視覚化するドキュメントウォールの活用」の続編にあたります。前回の発表では「ドキュメント・ウォール」の事例とその活用の可能性にいて報告しました。
今回は、ドキュメント・ウォールに具体的に何を描けば(残せば)よいのか、という視点から、ドキュメント・ウォールの記録者、編集者のスキルについて考察した過程を報告します。

用語について
デザイン研究においてもネーミングは非常に重要です。このリアルタイム・ドキュメンテーションに関する用語についても、いい名前を付けたいなと、常日頃から頭を悩ませています。特に日本語でなんと呼ぶかは重要だと考えており、もう少し時間をかけてことばを作っていきたいと思います。

祐筆:武家社会における書記官。「祐」には「かばい助ける」という意味があります。今のところ、ドキュメントウォールの編集記録者の名称のイメージに、最も近いと感じています。

スクライビング scribing /スクライバー scriber:最近のアメリカの学会などでは、講演やディスカッションの場に、ファシリテーショングラフィック、あるいはスクライビングとよばれる、公開型の記録担当者!?が登壇者とともにステージに上がる場面が増えているようです。話題を表現として残すことの重要性に気づいた人が増えているということだと思います。

今回の報告概要:スクライビング実験
2012年2月25日、奈良県吉野のneomuseumで、『undesign』というイベントが開催されました。その中の「思考のデッサン」というプログラムで、スピーカー3名のトークセッションの内容について、オーディエンス全員がそれぞれスクライビングに挑む、という面白いチャレンジがありました。

この場で起きたことから、スクライバーのスキルについて考察してみようというのがこの報告の趣旨です。

「思考のデッサン」セッションは以下のようなプロセスで進められました。

・道具の使い方について知る

マーカー:持ち方、書き方
付箋:書き方、文字数、剥がし方
フリップチャート:書き方(レイアウトやペンの使い分けなどには触れていない)

・パスタプレゼン
ショートパスタとともにお皿に盛られたキーワードから、スピーカーがひとつずつ選び、そのキーワードについて説明する。オーディエンスはそれをフリップチャートにスケッチ。

・共有セッション
オーディエンスが二人ずつペアになり、自分の表現した内容を相手に説明する。
ペアの相手の表現について他の人に向けて説明する。


・最後に、スクライブされた側の視点として、スピーカーからの感想や意見を聞く。


このように、イベントのプログラムのひとつとして実施した実験的なスクライビングのセッションから、研究的視点で知見を抽出しようというのが、今回の試みです。
現実のデザイン活動を研究対象としてとらえる場合にも、特別な実験計画を組み込むことはなかなか難しく、そのための研究手法の可能性についてもこのようなアプローチから何らかの方法を見いだせるかもしれないと考えています。

専門家(自称)として何をとらえようとしていたか
セッションは約1時間くらいで、キーワードとして「パスタプレゼン」「チームメイド・デザイン」について語られました。そのうちの前半、「パスタプレゼン」を題材に、説明を進めます。
まず、私自身が何をどうしていたかを振り返ってみます。

私はこのムービーのような手順で、トーク内容を記録しました。(※ペンの色が薄いのは、他のメンバーに希望するペンの色を譲ったからです・・・)そのときどんなことを考えていたかを、振り返って説明してみます。
まずセッション開始直前、内容を記録する前提として、これがキーワードを説明するセッションであることから、紙面の中心に言葉の定義や説明がくるようにしたいと思いました。また、ことばの説明から話が始まるだろう、とも予測してフリップチャートに向かいました。しかし、話は「新幹線に乗っていたとき・・・」と、ひとつのエピソードから始まりました。話の展開が予測と違ったけれど、中央はメインの説明のために撮っておきたいと思ったので、とっさに右側に小さめのコラムを想定して書き始めました。書き始めたあとで、エピソードをひとつのコラムにまとめようと思い、そのまま時系列にエピソードの内容を右コラムとして記述していきました。事例から、「パスタプレゼンとは」という説明になるところで左のコラムに移りました。パスタを使ってプレゼンテーションしている姿がメインと考え、その場面のイラストを添えて、最後に「パスタプレゼンの効用」について説明されたので、それを付け加えて終了、となっています。
簡単にまとめると、
・内容についての予測:用語の説明になる=紙面のメインはこれ
・始まる前に、内容の予測にあわせて紙面のレイアウトについて予測を立てた。
・セッション開始後、予測とのずれに対して臨機応変に対応。
・最終的に、当初想定したレイアウトのかたちとして完了した。

スクライバーとして心がけていること
もうひとつ、スクライビングに対する考え方についても言語化してみます(「/」の後はその項目に対立する視点)。
・実際のことばをできる限り拾う(/要約して簡潔に)
・時系列に記述(/解体して再構成)
・可能な限り図解する(/議事録)
・ことばをフレーズで残す(/キーワードだけ書く)
・全体の構造を視覚化する(/箇条書きとして要素を取り出す)
・あとで利用できる
また、このセッションではあまり実践できなかったこととして、スピーカーが途中で見て軌道修正する、ファシリテーショングラフィックとして場の認識のレベルをあわせるために「それは〇〇ということですか」などの口を挟むことも、通常は意識しています。

さて、ここまでをふまえて、他のオーディエンスの皆さんの表現と比べてみます。

他のオーディエンスは何を描いたのか
このセッションでは私を入れて6名がスクライビングに望みました。各メンバーは以下ようなプロフィールです。
A 情報デザイナー(私)
B 生物資源系研究者
C 企業研修のコンサルタント
D デザイン研究者
E 地域振興NPOの代表
F バレエダンサー!?

それぞれの表現作品を見てみましょう。

▲Bさん:書き出しの「新幹線」からもわかるように、最初は議事録的に書き表そうとしたが、話に聞き入って要点をメインの図と箇条書きでまとめた。

▲Cさん:書慣れている印象。話の中のシンボリックな要素を絵にして、全体として用語の意味内容を説明する方向にまとまっている。この基本となる図解に、様々な説明要素を重ねていくような構成となっている。

▲Dさん:説明の流れからはなれ、オーディエンス視点で再構成、構造化されている。エピソードを省略し、説明内容の要点をカテゴライズして見出しも付けている。

▲Eさん:時系列に、フレーズを要約しながら文字で記述している。要約の度合いはかなり大きく、「自分のことばでまとめて」というノートテイキングを思わせるまとめ方。この紙面に表記されている範囲において、後で見たときに話の流れを確認でき、再現性がある。

▲Fさん:スクライビング初体験。話はじめのキーワードを細かく拾っている。話を聞いていくうちに書くことが追いつけなくなっている感あり。できるだけ絵で表現しようという思いが伝わる。

それぞれの表現を比較してみる
前述のように、6人6様の表現が生まれたという、非常に興味深い結果でした。これらを比較して、どこが共通で、どこ違うのかを調べてみました。




各表現に描かれたことばや絵をレベルを合わせて比較するとこの表のようになりました。
浮かび上がった特徴を箇条書きにしてみます。

・全体として

表記されたすべての項目数は48。
これに対してA〜Fの記録項目数を比較してみると、
スクライバー、ファシリテーター経験者は
記録している項目数も多い。

セッションの後半の記録項目数が前半に比べて少ない。
集中力が切れたのか、追いつかなくなったからか、
話に聞き入ったのか、話題からの判断か。

・比較によって浮かび上がることがら

時間順に構成されたものと
内容の集約、要約を目指した方向性がある。

スクライバー同士がお互いのフリップチャートの見える位置で活動をしていたため、お互いに影響を受けた。とくにこの説明でのポイントとなる「アレッシィのパスタケース」「テーブルに広げてみせる場面」のイラストは表現にも共通点が多い。

そのことばを拾うかどうかの判断に個人差がある。
ex.「イタリアンミールモデル」を書いたのは一人だけ。

ことばを文字にする時の要約の方法にも差がある。
ex.「もらうとうれしい」「もらってうれしい」「うれしい」

繰り返し出てくる同じ説明の扱いについての違い。
両方書く/先に書いているので後は書かない/最初は書いていないが後のものは書く
ex.「プレゼント」ということばは前半の事例の中と後半の効果についての話で出てくる

書き漏らしたキーワードやフレーズを、途中で思い出したり、他の人の表現を見て書き加えたり、ということが起こっていた。

このように基準となる表現例があれば、それをもとに他の表現の特徴を明確にすることができます。

どう描けばよかったのか
この問いに対して、まだ正解は見つかっていません。というより、スクライビングには目的に合わせて様々な表現方法がある、としか答えられないでしょう。しかし目的ごとに、最善のスクライビングというものはありえるはずです。
たとえば、下図は、6名が拾った48のキーワード全てを盛り込んで、「パスタプレゼン」を図解した例です。下書きを含めて約30分程度で書き上げました。

このような図を、出来事の進行とともにリアルタイムに描くことは可能でしょうか?
また、そのためにどのようなスキルがあればよいでしょう?
さらに、これを残すことで、その後その場に居た人やその周辺の人々にどんな変化が起こるでしょうか?

こちらが下書き。
出来事の内容からこのような下書きが頭に浮かぶまでに、どのような準備や対応力が必要でしょうか?

今後の課題
今回の実験はあらかじめ計画されたものではありません。しかし、これからスクライビングを実践する上での技法や留意点について、多くの視点を得ました。
・画面構成:レイアウトの意味付け、時間配分 
・情報量の調整:図の活用、絵とことばのバランス
・要約の方法:書き出すタイミング、見出しを付ける、重複情報の扱い
・表現技法:色分け、重ね描き、ペンの使い方、付箋の活用
・場の設定:スクラビングをする場所、向き
今後、これらの条件設定を明確にした実験や実践を通して、「ドキュメントウォールの活用」すなわち作り方、使い方についてまとめていきます。
前述の「思考のデッサン」セッションの後、スクライビングされたスピーカーからは、「スクライビングが日常化することで、コミュニケーションの形が変わるだろう」という発言もありました。このようなドキュメンテーションが本当に必要なのかも含めて、未来の情報共有のあり方の可能性を示せればよいと思っています。

2012年6月4日月曜日

写真撮影ミニWS

写真の撮り方を考えよう

「タクラミ・クワダテ・ハコダテ」ミーティングの時間を使って、写真撮影講習会を開催しました。
これから様々な場面でドキュメンテーションを試みようというこのチームの野望のために、写真撮影時のチェックポイントを共有しておこうという試みです。

2012年5月29日火曜日

伊達市噴火湾文化研究所を訪問

伊達市に向けて電車の旅

函館に来て、やり遂げたいことのひとつはこれ。
これから具体的に活動していきます。

2012年5月19日土曜日

Scratch Day @ Hakodate 2012

中京大学のイベントに便乗してミニWSを開催

今年もやってまいりました、Scratch Day。
私は毎年、中京大学の宮田義郎先生のところにうかがって参加していたのですが、ことしは今後のことも考えて、函館で実践してみました。 今回は、宮田先生の「World Museum」というプロジェクトに連動させて、その中のひとつのテーマ、「ランチボックスプロジェクト」にちなんだワークショップをやってみました。

Scratchとは?

Scratchは、MITメディアラボで開発された小学生にも使える教育用のプログラミング環境です。ブロックを組み立てるようにプログラムを作り上げていく、解りやすいインタフェースが特徴です。パソコンのカメラやスピーカー、「ピコボード」などの外部入出力デバイスを組み合わせて、新しい体験を表現することもできます。
コンセプトはremix。コミュニティサイトに作品をアップできるとともに、他の人の作品をダウンロードしてソースを見たり、それをもとに自分のアイデアを加えて新たな作品を作ることを推奨しています。

Scratch Dayとは?

「スクラッチ・ディ」は、ほかのスクラッチの使い手(Scratcher)と出会い、プロジェクトや経験を共有し、スクラッチについてもっと学ぶ、そんな人々の集まりを、世界的なネットワークで結びつけるイベントです。2009年以来、毎年5月に開催されています。

本日のメニュー:ランチボックスWS
「食べる」をテーマにScratchムービーを作ろう!

今日のミニワークショップでは、いくつか試したいことがありました。それを埋め込んで、プログラムを考えました。
・ドレスコードは「カラフル」
・会場設営から参加者みんなで
・無理に時間通りに進めず、
じっくり楽しむ
・観察(調査)→表現→共有
デザインプロセス
・つくってかたってふりかえる
ワークショププロセス

会場設営

ついに研究室前の「学びの3層構造」デビューです。

とはいえ、今回はドキュメンテーションチーム不在、事前の空間デザインなし、と完全に場当たり的展開。いつも通りといえばいつも通りですが、ちゃんと準備をしておけばよかった。
ただ、今回の引越で持ってきたスクリーンやプロジェクタなどの荷物、段ボールをすべて開封できたので、ヨシとしましょう。

アニメーションの基礎を理解する

基本原理と歴史的な背景にいて知っておこう、ということで、アニメーションの基礎となる表現についてまず解説しました。
・仮現運動・・・ファイ現象
・ソーマトロープ Thaumatrope
・フェナキストスコープ Phenakistoscope
・ゾートロープ Zoetrope

自作のゾートロープや市販のプラキシノスコープ(Praxinoscope)も紹介して、視覚トリックの世界を実感してもらいました。

「デジカメアニメ」に挑戦!

身近な道具を使った「ラピッド・プロトタイピング」その1。「デジカメアニメ」です。
仮現運動を利用して、写真を使ったパラパラアニメを制作します。
この技法はストーリーテリングやアクティングアウトなど、デザインプロジェクトにおけるプレゼンテーションに活用できます。
とりあえず、自分の体を使って、ストップモーションアニメ−ションの感覚をつかみます。
AKB48「ヘビーローテーション」の振り付けを使って表現練習。

その後の応用も考えて、みんなが同じアクションをとることにしました。

撮影にはMacの「Photo Booth」も利用しています。背景を白にして撮影することで、画像を切り抜く手間が省けます。
出来上がった画像をScratchにとりこんで、アニメーション作品にしてみます。

作品はScratchのギャラリーにアップしました。

ランチタイム

これが今日のメインイベントのひとつでもあります。

ただ楽しく食べるのではなく、「食べる」という経験を抽象化して、インタラクティブ・アニメーションで表現しようという試み。
持ってきたお弁当の特徴、自分の食べている経験、他の人の食べている様子をしっかり観察します。

google+を使って4カ所を中継

複数メンバーでのビデオ会議が可能というgoogle+の「ハングアウト」を使って各会場を中継しよう、というのも今回の試みのひとつでした。
シドニー、香港、中京大とはこだて未来大学の4カ所で、大きなひとつのテーマを共有しながら、他の場所の様子を横目で見ながらそれぞれの活動を進めていく、という体験はなかなかおもしろいものでしたよ。

今回は、「お試しでつないでみよう」というレベルで、会場間の絡みはあまり演出できませんでしたが、次の機会にはもう少し、積極的に使ってみたいなぁと思いました。

お散歩

ランチタイムの後は、気分転換と腹ごなしのため、屋外をちょっとお散歩。

校舎から外に出ると、春爛漫です。おや、老けた妖精さんが・・・。

絵コンテ
さて、本題に戻ります。
お散歩から帰ってからは、「食べる」ムービーの絵コンテ制作。お弁当の食べ方、減っていく様子、食べる人とのインタラクションなど、視点・テーマをそれぞれが決め、まずは絵コンテで構成を考えます。絵コンテというのもプロトタイピングの手法のひとつ。目に見えるように描くことで、この後の作業工程の全体像をイメージすることもできます。

でき上がった絵コンテを、他の人に説明してみます。

アニマティクス(コンテメーション)

絵コンテを1コマずつデジカメで撮影し、そのままデジカメのプレビュー機能で順に再生してみると、映像としての流れを確認することができます。必要なカットが揃っているか、流れに説得力はあるかなど、表現の意図が具現化されているか、この時点でも確認できます。そう、これもプロトタイピング手法です。

絵コンテの段階で方針が固まったら、最終的な絵コンテから、ふたたび1コマずつ撮影した画像をこんどはScratchに取り込んで、表現の確認をします。本番の表現を想定して、コマ数やタイミング、画面レイアウトなどをここで確認します。これがアニマティクス。絵コンテを下書きにすることで、完成作品への道のりを確認しやすくする効果もあります。
アニマティクス作品もScratchのギャラリーにアップしました。

「私のランチボックス」作品制作

準備に時間をかけましたが、本日のメインディッシュは実はここ。とはいえ、scratchの制作は最終的な表現作品に向けた、自分との戦い。隣同士で様子を見ながらも、自分の作品を仕上げていきます。

料理と同じで、ここまでの下ごしらえが充分にできていれば、ここからは作業のクオリティが勝負。
残り時間も少ないけど、楽しみながら、楽しい作品を目指そう。
で、やっぱりちょっと時間が足りなかったけど、できたところまでをみんなで共有。

未完成ながらここまでの成果作品もScratchのギャラリーにアップしました。

振り返り

本来なら、ここでドキュメントウォールやリフレクションムービーをつかって振り返りをするところですが、今回は少し時間を延長はしましたが、そのまま緩やかに終了。今日のふりかえりとして、facebookにそれぞれ「活動内容」「感想」「今後の課題」という視点でコメントを書き込んでもらって、後は片付けモードに。無理に決着をつけずに終わるのも、余韻が残っていいのかなぁ。
本当は、この時間の中でやり遂げて、解散とともに次のステップに進んでいくことができればと思っています。これは、次回に向けての私の課題。
お疲れさまでした。

2012年5月4日金曜日

第9回情報デザインフォーラムにて

インフォグラフィックスを通して学ぶコンテンツデザイン

下記のようなイベントで、登壇してきました。
第9回情報デザインフォーラム
■日時:2012年5月4日(金)13:00~18:00
■会場:横浜デジタルアーツ専門学校新横浜3号館401セミナールーム
■主催:情報デザインフォーラム・横浜デジタルアーツ専門学校情報デザイン研究室
■テーマ:情報デザインのワークショップ

今回の私の発表内容は、これまでの演習授業をワークショップという視点から説明し直してみる、という趣旨でまとめみました。

ムービーはこちら

2012年4月23日月曜日

新任教員の講演会

学内向けの講演会 
新任5名の自己紹介を兼ねて、講演会が開催されました。 私はトップバッター。20分で何を伝えればよいかを考えた結果、自己紹介に徹しようと思い、そんな準備で臨みました。
最近マイブームのvideo scribing的なプレゼンにトライしてみました。
実際のムービーはこちら
学長がバルキリー(マクロス)好きと聞いて、ちょっと嬉しかったです。
夜は、新任歓迎パーティ。
こちらもいろいろな方とお話ができました。

楽し〜い!

2012年4月2日月曜日

出勤第1日

公立はこだて未来大学のメンバーになりました
無事に辞令をもらい、今日から新しい職場で活動開始です。

2012年2月25日土曜日

UnDesign @ neomuseum

参加したというよりは、やってきたという感じ。

2012年1月21日土曜日

科学技術戦隊ワークショップに参加

日時:2012年1月21日(土)12時~16時(予定)
場所:東京大学工学部2号館9階92B
主催:メディア・エクスプリモ:オープンスパイラルモデル・ワーキンググループ
   東京大学大学院情報学環 水越伸 研究室

ワークショップ プログラム:
 12:00~12:30 ミニ・レクチャー
 和田真祐子さん(主婦と生活社「私のカントリー」)
 新井潤一郎さん(ダイキン工業株式会社)
 12:30~15:30 グループワーク
 15:30~16:00 ふりかえり

<テーマ>
緊急出動!エネルギー浪費を防げ!!
~快適でエコな部屋をつくるの巻~

20XX年,1部屋辺り使用エネルギー量が規定された。管理が難しいマンションは,一部屋あたりのエネルギー量を規定するようになった。規則を破ると,借用人は家賃を1.5倍,所持者は税金を多く支払わないとならない。猶予期限は1ヶ月。現在の部屋を改善するために,マンション運営会社から,当局にヘルプの要請がきた。さぁ,どうする?!という想定のもと,チームで共同作業スタート。
・・・ここまで、案内文丸写し。

ワークショップに「参加者」として参加することはほとんどないので、今日は思い切り楽しませてもらいました。
我がチームの成果は・・・「5人そろって、おとなり戦隊ネイバーズ!」

2012年1月12日木曜日

ツタグラ カンファレンス

日時 :2012年1月12日(木)
19:00~20:15 (18:45開場)
場所:loftwork 8F SeminarRoom
出演:日本政策投資銀行 藻谷浩介氏
   無印良品くらしの良品研究所 土谷貞雄氏
   チューブグラフィックス 木村博之氏
   経済産業省 高木美香氏

4年生の卒研がらみの用件で、津田沼を出たのが19時前。
会場に着いたら20時を過ぎていて、ほとんど佳境でした。が、内容はかなり面白いものでした。
藻谷さんの情熱が伝わってきます。データから何を読み取るか。これだよ。

終了後の新年会に参加。
TUBE Graphicsの木村さんとじっくり話せました。
次回は私も登壇します。

2012年1月2日月曜日

デザイナー教育って・・・

初夢からのメモを残しておこう。

あるべきデザイナーの姿
・未来へのビジョンを持っている
・ビジョンを他者に説明できる(表現できる)※共有できる形で
・ビジョンを実現する手段、手順を知っている/考えだせる
・手段を実行するための知識、技術を持っている
・この実践に他者を巻き込むことができる
・この実践について責任を取れる
・この実践を通して継続的に収入を得る

文字にしてみると、当たり前のことだなぁ。