2010年2月11日木曜日

原点に立ち戻る

結局、何事も基礎体力だなぁ

今日は、我が師匠(無礼な呼び方ですよね。でも、「恩師」というよりは「師匠」なのです)の退職記念講演とパーティでした。久しぶりに母校(筑波大学)のキャンパスを歩きましたが、ずいぶん雰囲気も変わって、歴史(というか、自分も歳をとったと)感じずにはいられません。
私にとっては学生時代の4年間と講師時代の7年半、この環境で手に入れたものが、今の自分を支える全てといっても過言ではありません。本気でやってて、本当に良かった。

研究、実績、教育、歴史

西川潔先生は、サイン計画やタイポグラフィの専門家として活躍されています。今回の記念講演は、研究、実績、教育、歴史という視点からの内容でした。
研究については「shared space」という新しいアプローチが紹介されました。従来のようにルールや標識で人の活動(つまり交通)を縛るのでなく、利用者の意識によって安全を確保しようという(ちょっと乱暴なまとめ方か)考え方。人類がもう少し大人になるための可能性を秘めたキーワードでした。日本では当分無理かも。大学キャンパスなど、限られたコミュニティでは可能性がある、とのことでした。この考え方にはとても共感できます。
実績については、バカ弟子(もちろん私のことです)もよく知っている事例が紹介されました。つくば市にずいぶん深く関わられています。
教育。これが私には一番のヒットでした。授業と学生作品を紹介いただきましたが、やはり基礎は大事です。手描き、大きく描く、写真、美しくまとめる・・・自分の学生時代がよみがえってきました。現在の自分に置き換えて、工学部の中のデザインですべきことのヒントや希望の光が見えた感じです。
歴史については、ご自身が影響を受けた書籍などを紹介していただきました。
退職にあたって、西川先生はパーティよりもこの講演にこだわられていたそうで、短時間とはいえ充分聞きごたえのある講演でした。

先生、先輩、後輩、教え子・・・

パーティーも盛況でした。先輩、後輩は比較的、色々な場面で会うのですが、私の筑波大教員時代の教え子(というのは烏滸がましいか・・・)が、みんな自立して、しっかり仕事をしていることに感動しました。もしかして、教員冥利というのはこういうことかもしれません。
景気は厳しいけど、がんばれみんな!