手作り一品ものと工業製品化との間の葛藤
先回は、鋸からカッターナイフまで手元にある刃物を駆使して、手業のみで削ってみた。「やればできる」という感じではあったが、細かいところで気に入らないところもあった。その解決の方法として、電動糸鋸を使ってみた。
細かい切れ込みを入れるにも、要所要所で水平垂直を取るにも、要領よく進められる。「こりゃ、相性いいぞ!」ということで、量産化に挑むことにした。
1.鉛筆で当たりをつける
あらかじめパネルソーで切りそろえていた道南杉の端材(45mm幅、18mm厚)に、背中、足になる部分の当たりをつけ、作業開始。40個を一気につくるか迷ったが、ここは「え〜い、やってしまえ」とすべて加工することにした。
今回は量産マシーンに徹するという心構えで作業に臨んだ。したがって、切り込みの場所によって糸鋸の刃を切り替えることも想定し、1行程ごとに、40個まとめて作業・・・これは結構消耗するね。
2.背中と脚の部分に切り込み
製作手順は完全手作業の時と同様、本家八幡馬製作に準じている。太めの直線用鋸刃で背中と脚の部分に切れ込みを入れる。
これはもう完全単純作業なのですぐに飽きるが、我慢が大事じゃ。
3.腹部を切り抜く
ここから徐々に高度な技術が要求される行程に。お腹を曲線で表現するのは師匠直伝。直線系の糸鋸でどうカーブを切り抜くか。徐々にコツを掴んだその極意をご覧あれ。
とはいえ、カーブを描いて切り出すのはなかなか難しく、形が揃っていないのはご愛嬌。
4.前後脚の股の部分を切り取る
幅=板厚が狭く、カッターと彫刻と上の加工では苦戦した脚部の加工。試したい方法があったので、早速実践。ここが腕の見せ所でござる。
コツとしては、まず片側の股部を少し切り欠いて置く。
そして反対側の股部を切り欠いた後に、こちら側も奥まで切り欠く。
電動糸鋸の台に材を斜めに当てて切っていくので、切り込みの加減を慎重に行うのがコツでございる。
むふふ、ここまで来ると、達成感がある。
5.喉元部分を切り取り、二体に分ける
足元が整ったところで、二つの体を切り分けて、基本形態の完成だ。
むふふ。
ここまででも十分楽しめるそ!
でも勝負はこれから。ここからはひとつづつ、じっくり形を整えて完成させるのじゃ。
切り屑は捨てずにとっておいて、大人の火遊び(ロケットストーブの着火剤)に使用予定でござる。
本日これまで。