2016年11月22日火曜日

拡張現実ピタゴラ装置(その2)企画

「情報表現基礎1」の授業では、オリエンテーション→材料(プラダン、土台用のスタイロフォーム)、機材(Arduinoセット)の配布→実制作・・・と進む。実制作の最初のステップは、アイデアを視覚化すること=絵コンテを描くことだ。

まずは絵コンテを描いてみる

表現に入る前のアイデアスケッチも、「プロトタイピング」のひとつと言ってよい。頭の中のモヤモヤを、描いてみることで整理できる、というだけでなく、「よっしゃ、やるで!」と気持ちに勢いをつける効果もあると思う。
映像表現における絵コンテは、作品の設計図としてのイメージが強い。しかし、時間軸を含む表現における発想の初期段階で、表現の時間的展開を構想するためのフレームワークとして、絵コンテのフォーマットはとても便利だ。
授業では、CM制作現場での絵コンテ、宮崎駿・出崎統・湖川友謙の絵コンテ、そしてアニメーション技法の研究にも熱心なディスニーの本を紹介している。


動きのスケッチ

「もの」のデザインは、物の形を考えることでもある。この課題も、モノとしての装置を考えようとすれば、どうしても現実のモノのかたちを追いかけることからスタートすることになる。毎年、「工場」や「家」「スポーツのコート」など、場所あるいは場面から入る作品も多い。
しかし今回の作品表現は、構造物としての装置のカタチよりも、ビー玉の動きに込める物語の方が重要だ。このような発想の視点を伝えることも結構難しい。授業では、「まず玉の軌跡を適当に描いて、それに形をつけてごらん」とか「一筆書きで適当な線を描いて、その軌跡を描くための装置をイメージしてごらん」などと説明しているが、なかなか・・・。

そして絵コンテ

そもそも今回、「自分も作ろう」というスイッチが入ったのは、学生に向けての絵コンテの描き方を、実際に描いて見せながら説明したことがきっかけだった。
説明した以上、実際に形になるところまで、一気通貫でやって見せなきゃね。もともとホラーやスプラッタ系は好きではないのだが、口から出まかせで「物体X」といってしまったので、これをやり切ることにした。

「絵コンテ発表会」用クオリティで描き直したのがこちら。
さて、いよいよ実制作スタートである。